Self Lesson 3

同和問題に関する偏見や差別
部落差別(同和問題)は、生まれた場所(被差別部落)や、そこの出身というだけで差別される、不合理な差別問題をいいます。
これは、鎌倉時代に端を発し、身分制度に基づく差別により、一部の人々が長い間、経済的、社会的、文化的に低位の状態を強いられ、日常生活の上で様々な差別を受けてきた、「日本固有の重大な人権問題」です。日本人特有の「けがれ」の意識に根ざし、血筋、家柄、世間体などが根底にある、簡単には拭いさることのできない、深い「差別問題」として、現代にも根強く残っています。
戦後の、同和対策や同和教育への取組を経て、多くの日本人は、「差別意識はない」と認識しています。被差別部落は、公には存在しません。
ところが、2016年、被差別部落の地名リストを出版社がインターネット上で公開し、違法との判決を東京地裁が出し、書籍出版やネット掲載を禁止し、賠償も命じました。
部落差別は根深い問題です。地名の公開は差別を助長します。判決は、住所や本籍が地名リストと照合され、同和地区の出身者が差別を受ける恐れがあると指摘し、プライバシーの侵害に当たると認定しました。
地名リストは、1970年代にも問題になりました。掲載された書籍を200社以上の企業が購入し、採用時の身元調査、不動産鑑定などに利用していました。
法務省は、インターネット上への書き込みで、「特定の地域を同和地区と名指しする投稿は許されない」との考え方を示しています。
この問題が表面化したことをきっかけに2016年末、「部落差別解消推進法」が制定され、国や自治体に、相談体制を充実させ、教育・啓発を進めるよう推進しています。
生まれた場所(出自)を理由にした差別は、あってはなりません。

同和問題で、差別が根強く残っていると言われていることのひとつが、「結婚時における差別」です。「自分は差別はしていない」という人でも、自分の子どもの結婚相手が「同和地区の出身かどうか気になる」「事前にわかった場合は反対する」という意識の人は、アンケート調査でも、なくなりません。

もうひとつは、就職採用時における「身元調査」だと言われています。厚生労働省では、公正な採用選考を行うため採用選考時に配慮すべき事項として、「身元調査」は行うべきではないとしています。
「身元調査」とは、興信所等を使い、結婚や就職などの際に、本籍や家庭環境、思想・信条などを、本人の知らないところで調べることです。「身元調査」のために不正に取得された戸籍謄本などの情報が売買され、問題となっています。もちろん不正取得行為は犯罪であり、厳しく処罰されています。

同和問題における人権侵害の事例

同和地区の
地名公表

身元調査
就職差別

出自・本籍地に
関する差別

同和地区出身者との
結婚の反対

同和問題(部落差別)をなくすには

同和地区がどこか、検索しないこと。聞いても、「言わない」「書かない」「シェアしない」。部落差別が存在することを正しく認識した上で、自分たちの世代で、完全に終わりにするべく、差別意識を持たないこと。
新潟県が行った県民アンケート「人権に関する意識調査」(H30年)では、「同和問題に関し、現在、起きていると思う人権問題」を問いましたところ、下記の回答がありました(回答は1人3つまで)。
  • 結婚問題で周囲の反対を受けること(104件、42.3%)
  • 身元調査をされること(70件、29.0%)
  • 差別的な言動をされること(63件、26.1%)
  • 就職・職場で不利な扱いを受けること(62件、25.7%)
  • インターネットを利用して差別的な情報が掲載されること(37件、15.4%)
人を出身地によって差別するという行為そのものが不当であり、同和地区出身者を差別することは決して許されることではありません。
私たち一人ひとりが、身近な問題として同和問題を正しく理解し、差別意識や偏見をなくすなど、自らの問題として取り組んでいきましょう。

5分で考える人権問題

新潟県は様々な人権課題に取り組んでいます。

子どもの人権

インターネットを悪用した人権侵害

同和問題に関する偏見や差別

障害を理由とする偏見や差別

女性の人権

刑を終えて出所した人に対する差別や偏見

犯罪被害者とその家族の人権

高齢者の人権

北朝鮮当局による人権侵害問題

ホームレスに対する偏見や差別

アイヌの人々に対する偏見や差別

性的指向や性自認を理由とする偏見や差別

外国人の人権

人身取引

感染症患者等に対する偏見や差別

東日本大震災に起因する偏見や差別

新潟水俣病被害者に対する偏見や差別