Self Lesson 2

SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が、その普及によって、近年、新たな差別、人権侵害の温床となってきたのは、次の理由によるものではないでしょうか。
1. 匿名性
2. 拡散力
利便性があるSNSも、「ネット・リテラシー」(インターネットを使うための一定のルール、倫理)を逸脱して、一瞬で、「たたき」や「バッシング」と呼ばれる言葉の暴力が配信されてしまう怖さを備えています。
普及が倫理を追い越している。今や、個人が情報発信者になるSNSは、現代社会に欠かせないコミュニケーション・ツールであると同時に、「言葉の凶器」にもなりうると言えます。
あまりに酷い誹謗中傷や個人攻撃は、運営者に通報して削除を要請することもできますが、相手が誰かわからない場合は、簡単にはいきません。投稿の削除やアカウントの凍結は、運営者によって一定の規定に添って運用されているからです。
それは、対面のコミュニケーションでは、口に出せないことも、顔が見えず、匿名のニックネームでは、心の底の「悪意」が表に出て、特定の個人に牙を向いてしまう。
ポチッと、指先一つ、送信クリックで。
インターネットによる人権侵害は、いったいどのような人が行っているのでしょうか。これは、まだ大人としての人間性を確立していない未熟な世代に多いのかもしれません。
また、これは推測に過ぎませんが、「日常生活のうっぷん晴らし」を、人をバッシングすることで解消しているケースもあると思われます。
差別される側を救済するためには、差別する側への啓発が欠かせませんが、往々にして、「匿名性」が担保されているSNSにおいては、確信的な発信者を特定して、改めてもらうことは困難さがあります。
ですが、「ポチッと送る前に、踏みとどまること」。つまり、「口に出すことと、出すべきでないこと」が、対面コミュニケーションにおいては理解されているのだから、SNSにおいても「送る前に考えよう」と呼びかけておくことは、ムダではありません。
「ウソやデマに振り回されやすいこと」「良いことよりも、悪いことは広がりやすい」これは事実であり、人間が持つ短所でもあると言えます。
インターネットによる人権侵害の事例

誹謗中傷
バッシング
顔写真など
個人情報の公開
ヘイトスピーチ
人種差別
興味本位からくる
同調やデマの拡散
インターネットによる差別を防ぐには

- 相手をブロックする、相手の投稿を削除する
- グループを抜ける
- 運営者に告発する
- アカウントを削除する(そのSNSの使用をやめる)
若い世代は、友人や知人との重要なコミュニケーションツールであるスマホとSNSを
手放せないこともあります。
しかし、通話やメールに、迷惑防止機能があるように、SNSの設定を変えることで、誹謗中傷やバッシングをブロックすることも、できないわけではありません。
最も単純な解決法は、「アカウントを削除する」、「使用を(一定期間でも)やめる」こともひとつです。
こうした、インターネットによる人権侵害には、毅然として、法的手段によって訴えることも有効な対抗手段となります。
「基本的人権」を侵すような内容は、健全な市民社会の存立を阻害する行為として、厳しい批判の対象となるでしょう。
サイトには,利用する際のルールのほか、ブロック、ミュートなどのユーザー保護機能の活用方法や、SNSの投稿の削除手順等が掲載されています。
啓発サイト「#No Heart No SNS」
https://no-heart-no-sns.smaj.or.jp/